代表世話人挨拶


血管内留置カテーテル管理研究会発足にあたって

血管内留置カテーテル管理の重要性

 現在の医療行為は、血管内留置カテーテルを用いた輸液、薬剤などを投与することによって成立しています。カテーテルがなければ、医療は成立しないといえるくらいの重要な医療器具です。しかし、カテーテルは、留置に際して、あるいは留置期間中、さまざまな合併症が発生するリスクを有しており、中には、生命の危険に直面するような重大な合併症もあります。カテーテル管理が極めて重要であることは、あらためてここで説明する必要もないはずです。  
 しかし、本邦において、カテーテル管理を専門的に検討する研究会がありません。カテーテル挿入時の安全管理、カテーテル留置期間中の感染対策、静脈栄養に関連したカテーテル管理、在宅医療に関連するカテーテル管理など、様々な学会や研究会において議論されてはいますが、それぞれの学会・研究会のごくごく一部に過ぎず、十分な議論ができる場とはなっていません。これらのカテーテル管理に関する問題点について、きちんと議論する場がないと言っても過言ではありません。

安全かつ適切な血管内留置カテーテル管理を実施・普及させるためのアプローチの必要性

 安全なカテーテル挿入については、安全管理の面から検討されています。エコーガイド下穿刺、安全なカテーテル挿入に関する病院内の組織作りが主なものです。カテーテル留置期間中の問題については、特に感染対策の面から感染症関連の学会・研究会で検討されています。また、静脈栄養に関連した感染対策については、栄養管理の学会・研究会で検討されています。しかし、これらは、きちんとつながった形で検討されてはおらず、また、それぞれの専門家も、すべてを網羅して考えておられるのかというと、必ずしもそうではない、という現状があります。  
 そこで、本研究会では、安全なカテーテル挿入・管理、エコーガイド下穿刺、カテーテル関連血流感染症予防対策、安全なCVポートの管理、PICCの普及、適切なドレッシング管理、静脈栄養輸液の無菌的管理などを主なテーマとし、安全かつ適切な血管内留置カテーテル管理方法の確立・普及に向けて議論する場とし、さらに、その管理方法を普及させるためのガイドラインの作成、研修・実践セミナー等の開催も活動の一環として実施することを目的とし、2014年8月9日に第1回の学術集会を開催し、2014年11月28日に世話人会と共に「血管内留置カテーテル管理研究会」(略称:JAN・VIC:Japanese Association of Nutrition & Venous Access & Infusion & Care)が正式発足致しました。
 JAN・VICでは、これらの活動を実施し、広く一般に安全かつ適切な血管内留置カテーテル管理が実施されることを目指してまいります。 ご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2015年3月吉日
「血管内留置カテーテル管理研究会」発起人  井上善文
  大阪大学 国際医工情報センター
栄養ディバイス未来医工学共同研究部門 特任教授